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退職を考えたとき、多くの人が気になるのが「失業保険はいくらもらえるのか」「いつまで受け取れるのか」という点です。実は失業保険(雇用保険の基本手当)は、退職理由や年齢、加入期間によって金額も日数も大きく変わります。仕組みを知らないまま退職すると、本来もらえるはずの給付を取りこぼしてしまうこともあります。
この記事では、失業保険の受給条件・金額の計算方法・給付日数の違いを、公的データをもとに図解で解説します。あわせて、失業保険を受け取りながら転職活動を進めるときの注意点や、転職エージェントを併用するメリットも紹介します。
失業保険(基本手当)とは
- 雇用保険に加入していた人が離職し、働く意思と能力があるのに就職できないときに支給される給付
- 正式名称は「基本手当」で、一般に「失業保険」「失業給付」と呼ばれる
- 受給にはハローワークでの求職申込みと、離職前の一定期間の加入実績が必要
失業保険は、退職後の生活を支えながら次の仕事を探すための制度です。会社員時代に給与から天引きされていた雇用保険料の見返りとして受け取れるものなので、条件を満たしているなら申請しないと単純に損をしてしまいます。まずは自分がもらえる立場にあるかどうかを確認しましょう。
失業保険をもらうための受給条件
基本手当を受給するには、主に次の2つの条件を満たす必要があります。
- ハローワークに求職の申込みをしており、就職しようとする積極的な意思と、いつでも就職できる能力があること
- 離職日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12カ月以上あること(倒産・解雇など会社都合の離職の場合は、離職前1年間に被保険者期間が通算6カ月以上あれば対象)
ここでいう「被保険者期間1カ月」は、賃金の支払い基礎となった日数が11日以上ある月を1カ月として数えます。自己都合退職と会社都合退職とでは必要な加入期間の条件が異なる点に注意しましょう。
失業保険はいくらもらえる?計算方法と上限額
要点は次の3つです。
- 基本手当日額=賃金日額×給付率(およそ50〜80%、60〜64歳は45〜80%)
- 賃金日額は離職前6カ月の給与合計÷180で算出
- 賃金が低いほど給付率は高くなる仕組み
賃金日額にも年齢区分ごとの上限額が定められており、上限を超える分は反映されません。令和8年8月1日現在の上限額は次のとおりです。
| 離職時の年齢 | 賃金日額の上限額 |
|---|---|
| 30歳未満 | 7,450円 |
| 30歳以上45歳未満 | 8,270円 |
| 45歳以上60歳未満 | 9,110円 |
| 60歳以上65歳未満 | 7,830円 |

例えば45〜59歳で賃金日額が上限を超える人でも、基本手当日額はこの上限額を基準に計算されます。自分の直近6カ月の給与から賃金日額のおおよそを計算しておくと、受給額のイメージがつかみやすくなります。
給付日数はどれくらい?自己都合と会社都合の違い
要点は次の3つです。
- 給付日数は90日〜360日の範囲で決まる
- 自己都合退職(一般離職者)は被保険者期間のみで日数が決まる
- 会社都合退職(特定受給資格者等)は年齢と被保険者期間の組み合わせで日数が決まり、自己都合より優遇される
| 被保険者期間 | 自己都合等(一般離職者) |
|---|---|
| 1年未満 | 受給対象外 |
| 1年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |

倒産・解雇など会社都合で離職した「特定受給資格者」は、年齢が上がるほど、また加入期間が長いほど給付日数が優遇される仕組みです。同じ加入期間でも、自己都合より60〜150日ほど長く受給できるケースがあります。自分がどちらの区分に該当するかは、離職票に記載される離職理由コードで確認できます。
自己都合でも会社都合に近い扱いになる「特定理由離職者」
退職届を自分で出した場合でも、離職の事情によっては「特定理由離職者」として、給付日数や給付制限の面で自己都合より優遇されることがあります。代表的なケースは次のとおりです。
- 有期契約が更新されず、契約期間満了で離職した場合
- 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷などにより離職を余儀なくされた場合
- 妊娠・出産・育児などにより離職し、受給期間の延長を行った場合
- 家族の介護が必要になり、通勤が困難になったことによる離職
- 結婚に伴う転居など、通勤が困難になったことによる離職
特定理由離職者に該当すると、給付制限がかからず、給付日数も一般離職者より優遇される場合があります。「自己都合だから仕方ない」と思い込まずに、退職理由が上記に当てはまらないか、ハローワークの窓口で確認しておくことをおすすめします。
自己都合退職は「給付制限期間」に注意
自己都合退職の場合、申請してすぐに支給が始まるわけではなく、一定期間の「給付制限」が設けられています。2025年4月の制度改正で、この期間が短縮されました。
| 時期 | 正当な理由のない自己都合退職の給付制限期間 |
|---|---|
| 2025年3月31日以前の手続き | 原則2カ月 |
| 2025年4月1日以降の手続き | 原則1カ月に短縮 |
さらに2025年4月以降は、自己都合退職者が厚生労働省の指定する教育訓練(リスキリング講座や職業訓練など)を自ら受講した場合、給付制限自体が撤廃される仕組みも新設されています。退職前にこうした制度を調べておくと、無収入の期間を短縮できる可能性があります。
失業保険の申請から受給までの流れ
- 会社から「離職票」を受け取る(退職後10日前後で発行されるのが一般的)
- 住所地を管轄するハローワークで求職申込みと受給資格の決定手続きを行う
- 7日間の「待期期間」を経過する(この間は誰でも支給されない)
- 自己都合の場合はさらに給付制限期間(原則1カ月)を経過する
- 雇用保険説明会に参加し、「雇用保険受給資格者証」を受け取る
- 4週間に1度の「失業認定日」にハローワークへ行き、求職活動の実績を報告する
- 認定後、指定口座に基本手当が振り込まれる
会社都合退職の場合は給付制限がなく、待期期間の7日間を経過すればすぐに支給対象になります。申請書類に不備があると手続きがやり直しになることもあるため、離職票を受け取ったら早めにハローワークへ足を運びましょう。

失業保険をもらいながら転職活動するときの注意点
基本手当は「就職しようとする積極的な意思」がある人に支給される給付です。そのため、原則として4週間ごとの失業認定日までに、一定回数以上の求職活動実績が必要になります。
- ハローワークでの職業相談・職業紹介を受ける
- 民間の転職エージェントへの登録・キャリア面談も求職活動実績として認められる場合が多い
- 求人への応募(書類選考・面接)も実績としてカウントされる
- セミナーや職業訓練の受講で実績になるケースもある
求職活動実績の数え方は自治体やハローワークによって細かい運用が異なるため、担当窓口で必ず確認しておきましょう。また、給付日数には期限(原則として離職日の翌日から1年間)があるため、悩んで時間だけが過ぎてしまうと、受給できる日数を使い切れないまま権利が消滅することもあります。
転職エージェントを併用するメリット
失業保険を受け取りながらの転職活動は、収入面の不安から視野が狭くなりがちです。転職エージェントを併用すると、自分だけでは見つけにくい非公開求人の紹介や、書類・面接対策のサポートを受けながら活動できるため、給付期間内での転職成功率を高めやすくなります。
今回紹介するのは、株式会社ワンキャリアが運営する「ワンキャリア転職」です。新卒就活サービスで培った「中の人(実際にその企業で働く社員)」の口コミ・選考体験談データを転職領域でも活用しているのが特徴で、企業のリアルな情報をもとにしたプロのサポートを無料で受けられます。求人紹介だけでなく、選考対策や面接サポートも受けられるため、失業保険の受給期間中に効率よく転職活動を進めたい人に向いています。

よくある質問
Q. 失業保険はアルバイトをしながらでも受給できますか?
A. 一定の条件下で受給しながら短時間の就労(内職・手伝い等)をすることは可能ですが、収入や労働時間によっては「就労」とみなされ、その日の基本手当が減額・不支給になる場合があります。働いた日はハローワークへの申告が必須です。
Q. 会社都合と自己都合、どちらで処理されるかは誰が決めますか?
A. 離職理由は会社が作成する離職票をもとにハローワークが最終的に判定します。会社側の記載に納得できない場合は、ハローワークの窓口で異議を申し立てることができます。
Q. 転職先が決まったら、残りの給付日数はどうなりますか?
A. 所定給付日数を一定以上残して早期に再就職した場合は、「再就職手当」として一時金がまとめて支給される制度があります。給付日数を使い切るより手取りが増えるケースもあるため、対象条件をハローワークで確認しておくとよいでしょう。
まとめ
失業保険は、退職理由・年齢・加入期間によって金額も給付日数も変わる制度です。とくに自己都合退職では給付制限期間があるため、退職前から仕組みを理解し、計画的に転職活動を進めることが大切です。制度を正しく使いながら、転職エージェントなども活用して、収入の不安を抑えつつ次のキャリアへの一歩を踏み出しましょう。
参照ページ/引用元:
ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(厚生労働省)
「雇用保険の基本手当日額の変更」(厚生労働省)
「失業保険(失業給付金)の受給条件は?いくらもらえる?受給期間や手続きを徹底解説」(freee人事労務)
新卒で入った会社を1年で辞め、情報がないまま手探りで転職活動をした経験があります。その後HR・人材業界で7年間、採用や転職支援の現場に携わってきました。「知っていれば防げた遠回り」を減らせるよう、業界で得た知見とデータをもとにした転職・キャリアの情報をこのブログで発信しています。エージェント選びや書類の書き方など、実践的な内容を中心に更新中です。
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