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複数の企業から内定をもらった、入社後の待遇に納得できない、他にやりたい仕事が見つかった——理由はさまざまですが、内定を受けたあとに辞退を決断するケースは珍しくありません。とはいえ「せっかく採用してもらったのに断るのは気まずい」「電話とメール、どちらで伝えればいいのか分からない」と迷う人も多いはずです。この記事では、内定辞退を角が立たずに伝える方法とタイミング、電話・メールの例文、注意すべき法的リスクまでを網羅的に解説します。
内定辞退は珍しいことではない|中途採用における実態
- 中途採用の内定辞退率は平均9.3%前後で推移
- 新卒採用(65.1%)と比べると低い水準
- 対面面接のみだと辞退率がやや高くなる傾向
「内定を辞退したら迷惑をかけてしまうのでは」と不安になる人は多いものですが、中途採用の現場では一定数の内定辞退が織り込み済みで発生しています。マイナビの調査によると、中途採用における内定辞退者の割合は直近数年で9〜10%前後と、新卒採用の65.1%と比べてかなり低い水準です。中途採用は選考期間が短く、応募者側も企業側も条件のすり合わせを重視するため、入社意思が固まった段階で内定を出す企業が多いことが背景にあります。

また面接手法別のデータを見ると、対面面接のみで選考が完結したケースの辞退率は12.6%、Web面接のみの場合は7.9%と、対面のほうがやや高くなっています。これは対面のほうが選考期間が長引きやすく、他社との比較検討の時間が生まれやすいことが一因と考えられます。いずれにせよ、内定辞退そのものは決して特別なことではなく、企業側も一定数の発生を想定して採用計画を立てています。過度に負い目を感じる必要はありませんが、だからこそ「伝え方」で誠意を示すことが重要になります。

内定辞退はいつまでに伝えるべき?法律上のルールと実務上の目安
- 民法627条により、申し入れから2週間で雇用契約は解除できる
- 実務上は「入社日の2週間前」ではなく「意思が固まった時点ですぐ」が原則
- 内定式や研修が始まる前に伝えるのが望ましい
内定辞退に「絶対的な期限」を定めた法律はありませんが、目安になるのが民法627条です。同条では、雇用期間の定めがない契約について「解約の申し入れから2週間が経過すれば契約は終了する」と定められています。内定承諾書にサインをしたあとでも、法律上は入社の意思を撤回する自由が残されているということです。
ただし、これは「2週間前までなら伝えてよい」という意味ではありません。企業側は内定者の入社を前提に、配属先の調整や他の候補者への対応、研修の準備などを進めています。辞退の意思が固まったら、可能な限り早く連絡するのが鉄則です。特に中途採用では、内定者一人ひとりに合わせて受け入れ体制を組んでいる企業も多いため、迷っている段階でも早めに一報を入れ、正式な結論が出たら速やかに伝える姿勢が信頼につながります。
内定辞退の伝え方は電話が基本|メールで良いケースもある
結論から言うと、内定辞退の連絡は電話で直接伝えるのが最も丁寧なマナーとされています。特に面接や面談で時間を割いてもらった採用担当者に対しては、声で感謝と辞退の意思を伝えることで誠意が伝わりやすくなります。電話で伝えたあとに、記録として同じ内容をメールで送るとより確実です。

一方で、企業から「連絡はメールで」と指定されている場合や、電話がつながりにくい場合はメールでも失礼にはあたりません。大切なのは連絡手段そのものよりも、決断したらすぐに連絡すること、感謝と謝罪の言葉を添えること、理由を簡潔に伝えることの3点です。
内定辞退の伝え方【電話】基本の流れ
電話で伝える際は、事前に要点を整理してから架電すると落ち着いて話せます。以下の流れを意識しましょう。
- 採用担当者の在席時間帯(始業直後や昼休みを避けた午前10時〜11時、午後3時〜5時頃)にかける
- まず選考の機会をもらったことへのお礼を伝える
- 「大変申し訳ございませんが、内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました」と結論を先に伝える
- 理由を簡潔に伝える(詳細な理由まで話す必要はない)
- 改めてお詫びと、企業の発展を祈る言葉で締めくくる

「お世話になっております、〇〇(氏名)と申します。この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。大変恐縮なのですが、一身上の都合により、内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。せっかくお時間をいただいたにもかかわらず、このような結果となり大変申し訳ございません。貴社のさらなるご発展をお祈り申し上げます。」
内定辞退の伝え方【メール】例文とポイント
メールで伝える場合は、件名で内容が一目で分かるようにし、本文では感謝・辞退の意思・簡潔な理由・お詫びの順で構成します。電話をせずメールのみで連絡する場合は、その旨への一言を添えると印象が和らぎます。
件名:内定辞退のご連絡(〇〇 氏名)
株式会社〇〇
人事部 〇〇様お世話になっております。〇〇(氏名)でございます。
この度は内定のお知らせをいただき、誠にありがとうございました。
本来であれば直接お電話にてご連絡すべきところ、メールでのご連絡となりましたことをお詫び申し上げます。大変恐縮ではございますが、一身上の都合により、内定を辞退させていただきたく存じます。
選考にあたり貴重なお時間を割いていただいたにもかかわらず、このようなご連絡となりましたこと、重ねてお詫び申し上げます。末筆ながら、貴社の今後のご発展を心よりお祈り申し上げます。
内定辞退の理由の伝え方|角が立たない言い方とNG例
辞退理由は詳細に話す義務はなく、「一身上の都合」で十分です。ただし、まったく理由を伝えないと不誠実な印象を与えることもあるため、当たり障りのない範囲で簡潔に触れるとスムーズです。
| ケース | 好印象な伝え方 | 避けたい伝え方 |
|---|---|---|
| 他社から内定が出た | 「別の企業から内定をいただき、そちらでお世話になることを決めました」 | 「もっと条件の良い会社が見つかったので」 |
| 家庭の事情 | 「家庭の事情により、今回は辞退させていただきます」 | 詳細な家庭内の事情を長々と説明する |
| 条件面が合わなかった | 「熟考の結果、今回はご縁がなかったものとさせていただきます」 | 「給与が思ったより低かったので」 |
| 現職に慰留された | 「現職と改めて話し合い、今回は残留することにいたしました」 | 連絡をせずに無断で辞退する |
共通して意識したいのは、企業や選考プロセスを否定するような言い方を避けることです。たとえ本音が待遇面への不満だったとしても、「一身上の都合」「熟考の結果」といった言葉に置き換えることで、角を立てずに伝えられます。
内定辞退で気をつけたいトラブルと法的リスク
- 内定辞退そのものは違法ではなく、職業選択の自由として認められている
- ただし常識を著しく欠く辞退方法は、例外的にトラブルに発展することがある
- 入社直前や研修後の辞退、無断欠勤のような形での辞退は特に注意
内定承諾書にサインをした段階で、法的には労働契約が成立したものとして扱われます。とはいえ、日本では労働者の職業選択の自由が強く保護されており、内定承諾後であっても辞退の自由自体は基本的に認められています。実際に内定辞退を理由とした損害賠償請求が認められるケースはごく限られており、多くは「早めに、誠意をもって」連絡すれば大きなトラブルにはなりません。
一方で、入社直前になっての辞退や、連絡をせずに無断で出社しない「バックレ」のような対応は、企業の採用計画に大きな支障を与えるため、まれに実費相当分の損害賠償を請求される可能性もゼロではありません。辞退を決めたら先延ばしにせず、できるだけ早く、誠実な方法で伝えることが自分自身を守ることにもつながります。
そもそも内定辞退を防ぐには|転職エージェントを活用した情報収集も一つの方法
内定辞退が発生する背景には、「入社後にイメージと違った」「他にもっと合う企業があった」といった、選考段階での情報不足が関係していることも少なくありません。こうしたミスマッチを減らすには、企業の内部事情や選考のリアルな情報を事前に把握しておくことが有効です。
たとえばワンキャリア転職は、実際の内定者・選考経験者の口コミや選考体験談をもとに、企業ごとのリアルな情報を確認できる転職サービスです。プロのアドバイザーが自分に合う企業の紹介から選考対策、内定後のフォローまで伴走してくれるため、「内定は出たものの本当にこの会社でいいのか迷っている」「複数内定の比較で失敗したくない」という人にも向いています。無料会員登録だけで求人情報や口コミを閲覧できるので、内定辞退・承諾の判断材料を増やしたい人は活用を検討してみるとよいでしょう。
よくある質問
Q. 内定辞退はメールだけで済ませても失礼にならない?
A. 企業からメールでの連絡を指定されている場合は問題ありません。ただし特に指定がない場合は、電話で直接伝えたうえでメールを送るとより丁寧な印象になります。電話がどうしてもつながらない場合は、メールで一報を入れたうえで、後日改めて電話でお詫びを伝える方法もあります。
Q. 内定辞退の理由は正直に話すべき?
A. 詳細を話す義務はありません。「一身上の都合」「熟考の結果」といった言い回しで十分です。ただし、他社への入社を理由にする場合は、その旨を簡潔に伝えたほうが不誠実な印象を避けやすくなります。
Q. 内定承諾書にサインしたあとでも辞退できる?
A. 可能です。内定承諾書に法的な強制力はなく、民法上はいつでも解約の申し入れができます。ただし、承諾後の辞退は企業への影響が大きいため、通常以上に誠意をもって早めに連絡することが大切です。
参照ページ/引用元:
マイナビキャリアリサーチLab「中途採用状況調査2025年版(2024年実績)」
マイナビキャリアリサーチLab「内定(内々定)辞退率の動向-辞退の理由と企業の辞退対策-」
ワンキャリア「内定辞退とは?期限や断り方のマナー、電話・メールの例文をご紹介!」
キャリタス就活「内定承諾後に辞退できる?いつまで?リスクや断り方のマナー・例文を解説」
新卒で入った会社を1年で辞め、情報がないまま手探りで転職活動をした経験があります。その後HR・人材業界で7年間、採用や転職支援の現場に携わってきました。「知っていれば防げた遠回り」を減らせるよう、業界で得た知見とデータをもとにした転職・キャリアの情報をこのブログで発信しています。エージェント選びや書類の書き方など、実践的な内容を中心に更新中です。
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