転職回数が多いと不利?データで見る採用側の見方と面接での伝え方

転職データ・市場動向

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「転職回数が多いと書類で落とされるのでは」——応募のたびに職務経歴書の会社名の数を眺めて、そんな不安を感じている人は少なくありません。3社目、4社目となると、経歴そのものが弱点のように思えてくるものです。

ただ、公的統計や採用担当者への調査を見ていくと、企業側が実際に見ているポイントは「回数」そのものとは少しずれています。この記事では、データをもとに転職回数がどう評価されるのかを整理したうえで、職務経歴書と面接での具体的な伝え方をまとめます。

「転職回数が多い」に明確な基準はない

まず前提として、「何回以上が多い」という公式の線引きは存在しません。採用基準は企業ごと、職種ごと、年齢ごとに異なるためです。

実務的な感覚としては、20代で3回以上、30代で4回以上あたりから面接で理由を掘り下げられやすくなります。ただしこれは「落とされる回数」ではなく「説明を求められる回数」です。エンジニアやコンサルタントのように転職が一般的な職種では、同じ回数でもほとんど話題にならないこともあります。

逆に、20代で2回でも、いずれも半年未満で辞めていれば理由を聞かれます。企業が気にしているのは数字そのものではなく、その裏側にある行動パターンだと考えたほうが実態に近いでしょう。

データで見る、職場を変える人の割合

厚生労働省の「令和6年雇用動向調査」によると、一般労働者の入職率は11.8%、離職率は11.5%でした(厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概要」)。1年のあいだに、およそ10人に1人が職場を離れ、同じくらいの人数が新しく入っている計算になります。

この水準が毎年続くということは、40年の職業人生のなかで一度も転職しない人のほうが、統計的には特殊な部類に入ります。採用担当者自身も転職経験者であることが珍しくありません。「転職経験がある」こと自体を減点材料と考える企業は、以前より確実に減っています。

また同調査では、転職入職者の賃金が前職と比べて「増加」した割合は40.0%、「減少」が28.9%で、増加が減少を11.1ポイント上回りました。転職が待遇改善につながっているケースも一定数あるということです。

採用担当者は面接で何を見ているのか

では、企業は中途採用の選考で実際に何を重視しているのでしょうか。転職サービスのdodaが中途採用の選考に関わる採用担当者2,000人に行った調査(2025年9月実施)では、「中途採用の面接で重要と思う内容」として次のような回答が集まりました(複数選択)。

  • 受け答えの仕方:51.1%
  • 誠実さ・素直さ:47.4%
  • 経験:44.0%
  • 転職理由:43.9%
  • 志望動機:43.1%
  • 身だしなみ:42.6%
  • スキル:40.2%

出典:doda「転職で面接官が見ているポイントは?」

注目したいのは、この調査の選択肢24項目のなかに「転職回数」という項目そのものが入っていない点です。企業が言語化して重視しているのは、回数ではなく「転職理由」であり「受け答えの仕方」でした。

同調査に寄せられた採用担当者の声にも、「転職理由が明確で納得できる内容なのかが重要。離職は本人の考え方や経験が色濃く反映されると思うから」といったコメントがあります。回数は理由を確認するきっかけであって、判断そのものではないという位置づけです。

「最も重要な1つ」を選ばせると、さらに人物面に寄る

同じ調査で「最も重要と思う内容」をひとつだけ選んでもらうと、1位は「受け答えの仕方」9.9%、2位が「誠実さ・素直さ」9.0%、3位が「志望動機」7.3%でした。経験は6.3%、転職理由は5.8%です。

つまり、経歴のスペックよりも、その場でどう説明できるかが評価を左右しやすい。転職回数が多い人にとっては、ここが挽回できる余地でもあります。

回数そのものが引っかかる3つのパターン

とはいえ、まったく問題にならないわけではありません。企業側が懸念を持ちやすいのは、次のようなケースです。

1. 在籍期間が一貫して短い

どの会社も1年未満、というように短期離職が並んでいると、「採用してもすぐ辞めるのでは」という見方をされます。中途採用は教育コストと採用コストを回収する前提で行われるため、定着の見通しは重視されます。

2. 経歴に一貫性が見えない

営業→事務→販売→ITと業界も職種も毎回変わっている場合、「何ができる人なのか」が読み取りにくくなります。回数が問題というより、積み上がったものが伝わらないことが問題です。

3. 転職理由がすべて他責になっている

「上司が合わなかった」「評価制度がおかしかった」が並ぶと、環境が変わってもまた同じことが起きるのでは、と受け取られます。事実として不当な職場だった場合でも、伝え方には工夫がいります。

職務経歴書での見せ方

書類の段階では、回数を隠すことはできません。できるのは、読み手が「一貫性」を拾いやすい形に整理することです。

まず、冒頭に3〜5行の要約(キャリアサマリー)を置きます。「法人営業として通算8年、うち直近4年はSaaS領域の新規開拓を担当」のように、社数ではなく職種と通算年数で経験を示すと、経歴全体の輪郭が先に伝わります。

次に、社数が多い場合はキャリア式(職種・業務別にまとめる形式)を検討します。時系列で並べると会社名の多さが目立ちますが、業務別にまとめると同じ経験の積み重ねとして読めます。ただし在籍期間があいまいになる書き方は避け、職歴の一覧は別途明記してください。

各社の欄には、担当業務だけでなく数字を1つ入れます。「担当エリアの売上を前年比115%」のような具体性があると、短い在籍期間でも成果を残したことが伝わります。

職務経歴書の基本的な構成は職務経歴書の書き方と例文まとめでも解説しているので、あわせて確認してみてください。

面接で転職回数を聞かれたときの答え方

「転職が多いようですが、理由を教えてください」と聞かれたときは、次の3つを短くつなげるのが基本形です。

  1. 事実(何を目的に動いたか)
  2. そこで得たもの
  3. 今回は長く働きたいと考える根拠

避けたい答え方

「前職は残業が多く、その前は人間関係が合わなくて……」——事実であっても、条件と環境の話だけで終わると、次も同じ理由で辞める可能性を想像させます。

また、「いろいろ経験したかったので」も曖昧です。経験の幅は目的にはなりますが、それだけでは自社を選んだ理由になりません。

伝わりやすい答え方(例)

「1社目では法人営業の基礎を固め、2社目では扱う商材を無形サービスに変えて提案型の営業を経験しました。3社目は既存顧客の深耕に軸足があり、自分が伸ばしたい新規開拓の比重が下がったため、あらためて新規中心のポジションを探しています。御社は立ち上げ期の商材で新規開拓を任せていただける環境と伺っており、これまでの経験を継続して積み上げられると考えています」

ポイントは、転職のたびに「何を足してきたか」を1本の線でつないでいることです。回数が多くても、方向が同じであれば納得感は出ます。

逆に、方向がバラバラだった場合は無理につなげず、「20代は適性を見極める時期と考えて幅を広げた。その結果◯◯に向いていると判断した」と、いま定まっていることを明確に述べるほうが誠実に響きます。

これ以上回数を増やさないために

転職回数の懸念を根本的に減らすには、次の一社を長く続けられる状態にすることです。応募前に、以下は最低限確認しておきたいところです。

  • 今の職場の不満のうち、どれが「会社を変えれば解決するもの」なのかを切り分ける
  • 求人票の業務内容と、面接で聞いた実際の役割にずれがないか確認する
  • 入社後3年で何ができるようになっていたいかを言語化しておく

この整理を自力でやるのが難しいときは、第三者に話しながら進めるのが早い場合もあります。転職エージェントのキャリア面談や、キャリアコーチングのサービスはその選択肢のひとつです。

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まとめ

転職回数に絶対的な基準はなく、採用担当者が重視しているのは回数ではなく転職理由と受け答えの仕方でした。実際、doda調査の選択肢24項目に「転職回数」は含まれていません。

回数が多い場合にやるべきことは、経歴を隠すことではなく、一貫性が読み取れる形に整理して、次の会社で長く働ける根拠を自分の言葉で説明できるようにすることです。書類の要約と面接の受け答え、この2つを準備しておけば、回数は決定的な障壁にはなりません。

リョウ(reworkブログ運営者)
リョウのプロフィール写真

新卒で入った会社を1年で辞め、情報がないまま手探りで転職活動をした経験があります。その後HR・人材業界で7年間、採用や転職支援の現場に携わってきました。「知っていれば防げた遠回り」を減らせるよう、業界で得た知見とデータをもとにした転職・キャリアの情報をこのブログで発信しています。エージェント選びや書類の書き方など、実践的な内容を中心に更新中です。

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